2024年1月5日「主がお入り用なのです」加山献牧師

《イエスは二人の弟子を使いに出そうとして、言われた。「向こうの村へ行きなさい。するとすぐ、ろばがつないであり、一緒に子ろばのいるのが見つかる。それをほどいて、わたしのところに引いて来なさい。もし、だれかが何か言ったら、『主がお入り用なのです』と言いなさい。すぐ渡してくれる。」 それは、預言者を通して言われていたことが実現するためであった。「シオンの娘に告げよ。『見よ、お前の王がお前のところにおいでになる、柔和な方で、ろばに乗り、荷を負うろばの子、子ろばに乗って。』」(マタイによる福音書21:1~3)》

 

主イエスは十字架にかけられる前の日曜日にエルサレムに入場されました。その時に用いられた動物がろばでした。この場面で、ろばは非常に象徴的に用いられています。

 

① 戦いには向いていない

ろばは戦いには向いていない動物でした。当時は、王が凱旋する際には軍馬に乗って城内に入場することが慣例でした。しかし主イエスは武力によって帝国に立ち向かう救い主としてではなく、平和と謙遜、柔和な心をもった王としてこの世界に来てくださったのです。

 

② 持久力がある

ろばは馬のように速く走ることはできませんが体力はあります。昔から荷物を運ぶために用いられた動物でした。乾燥した地域でもわずかな水分で生きていくことができ、忍耐力があるので長い旅に向いていました。

私たちの人生も長い旅を行くようなものです。厳しい環境も静かに耐え忍び、自分のペースで良いので、一歩一歩を踏みしめていくことが大切です。私たちひとりひとりは特別な人間である必要はありません。ゆっくりで良いので、最後まであきらめずにゴールを目指していく、ろばのような生き方ができれば幸いです。

 

③ 頑固で一途な性格

ろばは意外に強情な性格をしていて、気に入らないことがあったらすぐにへそを曲げて、一歩も動かなくなってしまうことがよくあるそうです。プロの飼育員でも手なずけるのにかなりの時間がかかってしまうとのことですが、一方で一度誰かを信頼したら、とことんその人を信じ続ける習性ももっているそうです。一度イエスさまを信じたのならば、二度とイエスさまから離れない、ろばのような信仰を求めてつつ、新しい年を共に歩んでいきましょう。