2024年12月22日「贈り物の季節」加山献牧師

 「学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。」 (マタイ2:10~11)

 

“黄金”は王にささげられるものであり、王に対する尊敬の気持ちを表す贈り物でした。旧約聖書の時代から外国の王を訪ねる時には献呈品として頻繁に用いられたものです。このささげものは主イエスが王の中の王であることを象徴しています。

“乳香”は一般的に香料として用いられていたものですが、旧約聖書の中では特に礼拝のために用いられました。祭司が神殿や幕屋で動物の犠牲を捧げる際に、一緒に燃やされるものが乳香でした。煙となって天に立ち上っていくその良い香りは祈りを表していました。祭司は日々、人々の罪のために犠牲をささげ、とりなして祈りました。また神様のメッセージを民に語ることも祭司の役割でした。祭司の働きとは神様と人間との間を取り持つ、仲介者としての働きだったのです。この乳香という贈り物は主イエスの祭司としての務めを象徴しています。

“没薬”は埋葬の時に使われる薬でした。このささげものはイエスさまの十字架の道を象徴しています。イエスさまの誕生には明確な目的がありました。それは人類の罪のために十字架の道を歩むことでした。後にヨハネは次のように記しました。

 

 「神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。」 (第一ヨハネ4:9~10)

 

神さまは私たちを愛するが故に御子イエスという素晴らしい贈り物を私たちに与えてくださいました。学者たちのように、もし生まれたばかりのイエスさまにお会いできたなら、あなたはどのようなプレゼントをイエスさまに贈ったでしょうか?

ちなみに彼らのささげた4番目の贈り物があると言われます。それは“礼拝”です。東方の学者たちのささげた最高の贈り物は彼らの礼拝の心であったといえます。