2023年12月10日「今日、あなた方のために救い主がお生まれになった」今村まさゑ協力牧師

ルカによる福音書2章10節~14節

待降節の喜びの礼拝を、皆様と共に守れます幸いを心から感謝いたします。日本のあちらこちらで、イエスさま抜きのクリスマスのお祝いが行われておりますが、真の救い主の誕生をルカは力強く丁寧に語っております。

今より2000年の昔、エルサレムより8キロ南に下った寒村に過ぎなかったベツレヘムで、御子はお生まれになりました。そこが神の御心の場所でした。羊飼いたちが野宿をしながら,夜通し羊の群れの番をしていました。羊は弱い動物で近眼ゆえ群れをなして動かなければ単独では生きていけないのです。故に、羊飼いが面倒をみる必要があったわけです。

聖書は人間を羊に例え、主ご自身、「わたしはよい羊飼いである。よい羊飼いは羊のために命を捨てる。」(ヨハネ10:11)ダビデも、「主は羊飼い。わたしには何も欠けることがない。」(詩23:1~)と歌っています。

しかし羊飼いは、汚れの代表者、罪人の代表者のような扱いを受けていたのです。臭く貧しく礼拝にも参加できなかったから。その彼らに神は一番先に福音を届けたのです。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」メシアとは油注がれた救い主のことです。

「キリスト、ベツレヘムに生まれ給うこと千度に及ぶとも、キリスト汝が心の内に生まれ給わずば、汝が魂はとこしえに失われてあり」(シレジウス)

主のみ使いは誰おも強制しません。只、自由な聴従こそが大事なのです。

「あなたがたは、布にくるまって飼葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」 布とは、家畜小屋に置いてある古い死体をくるむ布でした。最低のところに下られたからこそ、最低のところに生きる人々を救うことができるのでした。

全人類の罪の赦しのための救い主の生涯は、誕生の第一歩から十字架の蔭濃きものでありました。あなたの罪は赦されていることを、今日知って下さい。『いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。』