2023年6月25日「五つのパンと二匹の魚」加山献牧師

マタイによる福音書14章13節〜21節

“五つのパンと二匹の魚の奇跡”は4つの福音書すべてに記されています。この奇跡に込められているメッセージはおよそ2000年にわたる教会の歩みにとって大きな指針となり続けてきました。

【主イエスの心を我が心とする】

14節には“主イエスは群衆を見て深く憐れまれた”とあります。“深い憐れみ”とは、腹がちぎれそうになるほどの痛み、心が引き裂かれるような痛みを覚えた、という意味の言葉です。

貧しく、抑圧され、今日食べるものにも、明日着る物にも困っているガリラヤの人々を見つめるイエス・キリストのまなざしは、いつの時代も教会の模範とされてきました。教会の使命は、主イエスの心をわが心として現在を生きる事なのです。

【主イエスは弟子たちに働きを与えた】

「あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい」(16節)と主イエスは語られました。これは非現実的なご命令です。男だけで5000人ほどの群衆であり、女性と子どもを合わせて一万人を越えていただろうと推測されます。それに対して弟子たちには、“パン五つと魚二匹しか”ありませんでした。(17節)

この世界中で苦しんでいる人、悩んでいる人、貧困や戦争や飢餓で困っている人々の必要に対して、私たちの持っている能力、組織力、財力はあまりにも小さすぎるかもしれません。それでも主イエスは言われます。「あなたたちがやりなさい。」

【持てるわずかなものを主イエスに委ねる】

「パン五つと魚二匹しかありません」と答える弟子たちに対して、主は「それをここに持って来なさい」(18節)と言われました。そして主イエスは天を仰いで賛美の祈りを唱えられました(19節)。たとえ私たちのもっているものがわずかであったとしても、それをキリストのところに携えていく時に、キリストはそれを祝福してくださいます。キリストはそれを父なる神に感謝してくださるのです。

【分かちあう所に起きた奇跡】

今、私たちの手には何があるでしょうか?たとえわずかな力であったとしても、それを主イエスに委ね、人々に分かち合っていくときに、奇跡は今も起こるのです。

イエスさまが弟子たちに託した福音は、2000年間、脈々と受け継がれてきました。教会は2000年間わかちあうことをやめなかったのです。この地に早良教会が建てられ、わたしたちがこの場所に集っていることは決して偶然ではありません。早良教会にも、あの日の弟子たちと同じように、かわることのない使命があるのです。