2023年1月8日「教会の歴史」加山献牧師

「僕たちが主人のところに来て言った。『だんなさま、畑には良い種をお蒔きになったではありませんか。どこから毒麦が入ったのでしょう。』」 (マタイ13:27)

 教会の歴史は迫害と共に始まりました。宗教指導者たちからの迫害があり、次にローマ帝国からの厳しい迫害がありました。この時代に多くのクリスチャンが殉教していきました。今もなお、世界のあるところでは迫害が続いています。

 また、その歴史の最初の頃から、異なる教えが教会の中に入り込み、教会は内側にも問題を抱えていました。新約聖書の時代には、すでに律法主義やグノーシス主義と呼ばれる思想が使徒たちを悩ませていました。その後すぐに、ニコライ派、マルキオン派、モンタノス派、アリウス派などのいわゆる異端と呼ばれるグループが台頭しました。教会の歴史は常に異なる教えと共にあったのです。

 それだけでなく、正統的だとされる教会の歴史の中にも光と闇があります。キリスト教はやがてローマ帝国の国教となりますが、権力と富を手にしたとき、キリスト教の歯車はどこかで狂い始めました。十字軍に代表されるような、度重なる宗教戦争と、権力闘争を引き起こすようになり、イエス・キリストの名のもとに、多くの人々の血が流されるようになったのです。

 もちろんキリスト教には輝かしい光の歴史があります。福祉や教育、医療などの事業は聖書の教えを土台とした教会が多くの部分を担い、リードしてきました。そしてなによりも、教会はイエス・キリストの福音を全世界に広め、救いの喜びと絶大なる希望を多くの人々にわかちあってきました。

 しかし、私たちは教会の光の部分だけでなく、闇の歴史をしっかり見つめてこそ、現代の教会のために、そして私たち自身のために、執り成して祈ることができるはずです。やがて主イエスは再び来られ、すべてを清めてくださいます。その日、その時を待ち望みます。