2022年6月5日「あなたがたは力を受けます」加山献牧師

使徒言行録1章8節

「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(使徒言行録1章8節)

① 【あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。】

 ここでの「力」という言葉は”ディナミス”というギリシア語が使われています。この言葉は、英語の「ダイナミック、ダイナミズム、ダイナマイト」などの言葉の語源になりました。

 わたしたちはこの使徒言行録という書物全体を読み進める時、そして教会の2000年間の歴史を振り返るとき、弟子たちに与えられたその「力」が、確かに存在していたことを知ることができます。どんなに大きな迫害が起こっても、どんなに大きな問題に直面しても、聖霊の「力」”ディナミス”が教会を導き続けてきたのです。

②【あなたがたの上に聖霊が降ると、・・・わたしの証人となる。】

 証人とは、既に起こったことについて証言する人のことを指します。「証人」という言葉は当時、法廷用語として用いられました。法廷において証人は真実を語ることを求められます。自分が実際に経験したこと、見たこと、聞いたことを語ることが求められているのです。

 弟子たちはこのことのために選ばれ、育まれました。3年間、イエス様と共に旅をし、一緒にご飯を食べ、イエス様の生き方に触れてきました。弟子たちは、一人の友として親しく接してくださったイエス様を知っていました。同じように、主イエスと共に生きる私たちの信仰の歩みそのものも証として用いられます。 「証人」”マルトゥス”というギリシア語は、後に「殉教者」という意味でも用いられるようになりました。弟子たちを始め、初代教会の人々が文字通り、その命を捧げて宣教をしていった故です。キリストのために生きていきたい、私の残りの人生をキリストのために捧げて生きていきたいと願うのならば、私たち一人一人もまた証人として用いられます。