今日の主題は神さまが、私の人生に求めておられることがある、ということです。神さまがこの私に期待しておられることがある、と言い換えても良いでしょう。十戒と同じように、またイエスさまが新約聖書の中で語っておられるように、本日の箇所も二つの言葉に集約できます。-神さまが私たちに求めておられること-、それは神を愛し、隣人を愛することです。
「イスラエルよ。今、あなたの神、主があなたに求めておられることは何か。ただ、あなたの神、主を畏れてそのすべての道に従って歩み、主を愛し、心を尽くし、魂を尽くしてあなたの神、主に仕え、わたしが今日あなたに命じる主の戒めと掟を守って、あなたが幸いを得ることではないか。」(申命記30章12節~13節)
ここにはいくつかの命令形の動詞があります。主を畏れる、畏敬の念をもつ、敬うということ。神さまに従い、神さまの道を歩む、ということ。心を尽くし、魂を尽くして、全身全霊で神さまに仕える、ということ。神さまのくださった掟を守ることなどです。しかしすべての戒めの根底に神さまを愛するという戒めがある。
神さまを愛することなしに、神さまに従うことはできません。また、神さまを愛することなしに、神さまに仕えることはできません。神への愛はすべての行いの動機付けとなるものなのです。そしてなによりも、私たちが御言葉に従う事を通して幸いを得ることが主なる神さまの御心なのです。
「あなたたちの神、主は神々の中の神、主なる者の中の主、偉大にして勇ましく畏るべき神、人を偏り見ず、賄賂を取ることをせず、孤児と寡婦の権利を守り、寄留者を愛して食物と衣服を与えられる。あなたたちは寄留者を愛しなさい。あなたたちもエジプトの国で寄留者であった。」(申命記30章17節~20節)
神さまの戒めの中で最大のものは隣人を愛することですが、ここには、あなたの隣人を愛しなさいという戒めの具体的な適用が記されています。「あなたたちは寄留者を愛しなさい」という教えがその具体的な適応です。
当時、イスラエルの人々の中にもたくさんの外国人がいたということが知られています。寄留者を愛する、ということを神さまのご命令としてイスラエルの民は受け取っていたのです。法務省の報告によると、2024年末時点の在留外国人数は約377万人と過去最高となっているそうです。もう日本人だけで日本の社会を支えていくことは難しくなっていると言われるようになり久しいですが、今、在留異国人をどのように迎えていくかということが、今後の日本の在り方を決定していくのだろうと思わされます。「あなたたちは寄留者を愛しなさい。」