「あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。」 (申命記5:7)
出エジプトを果たしたイスラエルの民は40年間も荒れ野の旅を続けてきました。40年という月日はひとつの世代が入れ替わる年月です。エジプトを出てきた世代に代わり、新しい世代が約束の地を目前にしていました。
そこでモーセは新しい世代に対して再びシナイ山で受けた十戒を語り直します。その第一戒は「あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない」という戒めです。
なぜ主なる神はそこまで民が他の神々を礼拝することを御嫌いになるのでしょうか。9節には次のようなみことばがあります。
「あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない。わたしは主、あなたの神。わたしは熱情の神である。」 (申命記5:9)
熱情と訳されているヘブライ語は“カーナー”です。直訳では「ねたむ、嫉妬心を抱く」という意味の言葉です。多くの英語訳はそのように訳出しています。「For I, the Lord your God, am a jealous God (わたしは主、あなたの神、わたしはねたむ神であるから・・・)」(KJV,NIV,ESV等)
聖書の神さまはねたむほどに私たちを愛しておられるのです。私たち人間がこの神に背を向けて離れていく時、神さまは心引き裂かれんばかりに熱い思いをもって私たちを取り戻したいと願ってくださるのです。私たち人間を離したくないばかりに、愛する独り子であるイエス・キリストをさえこの世に送られました。このように私たちに愛を示してくださる神は他にありません。このイエス・キリストの父である神さまだけが、私たちのすべての賛美とすべての祈り、そしてすべての礼拝にふさわしいお方です。