そのとき、カレブがモーセの前で、民を静めて言った。「私たちはぜひとも、上って行って、そこを占領しよう。必ずそれができるから。」
(民数記13章30節、新改訳第三版)
カレブはヨシュアと共にモーセの次の世代を引っ張っていくリーダーとなった人です。カレブという名前には「勇敢な者」という意味もあるそうです。旧約聖書を読む多くの人々が、カレブと言う人物の生き様を通して人生の教訓を得てきました。カレブ(勇敢な者)はどのような信仰の持ち主だったのでしょうか?
① カレブは神さまの約束を信じる人だった
モーセはイスラエルの各部族からひとりずつ、合計12人のスパイを立てて、約束の地であるカナンに送り出しました。彼らは同じものを見て、同じものを味わって、同じ体験をして帰ってきました。しかしそれぞれが出した結論は大きく異なっていました。
カレブは「この地をあなたたちに与えよう」という神さまの約束を信じ、「この素晴らしい土地に断然のぼっていきましょう」と進言しましたが、彼に同調したのは盟友のヨシュアだけで、他の10人は「いや、あの民に向かって上って行くのは不可能だ。彼らは我々よりも強い」(31節)と言いました。なぜ他の10人は無理だと言ったのでしょうか?神さまの約束にではなく、その地に住む体が大きく力強い住民に目を留めたからです。
私たちは大きな神さまを感じているでしょうか。私たちの魂は神さまだけを見つめているでしょうか。私たちの日常の問題の解決はすべて神さまのもとにあります。私たちの生涯のあらゆる節目の、あらゆる機会に、神さまへの信頼が生み出す平安を心にもっておられるでしょうか。どのような状況にあっても、ただ神さまだけを見上げていきましょう。そうすればどのような困難にあっても、私たちの魂は安らぎを得ることができます。
② カレブは自分に与えられている力を信じる人だった
聖書の基本的なメッセージは、私たちは自分の力だけに頼ることはできないということです。なぜなら、私たちの力には限界があるからです。特に私たち自身の魂の救いについては、自分の力を捨て、ただイエスさまの十字架と復活により与えられた恵みにのみお頼りする必要があります。
ところが一方で、神さまは私たちひとりひとりに生きていくための力を与えてくださっています。わたしたちひとりひとりに賜物(才能)を与えておられます。カレブが「断然上って行くべきです」と語ったのは、自分たちには「必ずそれができる」という確信があったからです。カレブは何の根拠もないのに「できる」と言ったわけではなかったのです。第一に神さまの約束があり、そして二番目に自分たちに与えられている力を信じたからこそ、彼は「必ずできる」と言ったのです。