「では、わたしの兄弟たち、主において喜びなさい。同じことをもう一度書きますが、これはわたしには煩わしいことではなく、あなたがたにとって安全なことなのです。」 (フィリピ3:1)
みなさんは最近、喜んでいるでしょうか?別の言い方をすれば、みなさんは最近、よく笑っているでしょうか?ある研究によれば、赤ちゃんは1日に約400回笑うとされています。20代は1日に平均20回笑い、70代は1日に平均2回しか笑わないという調査結果もあるそうです。なぜ年齢を重ねるにつれてあまり笑わなくなるのでしょうか。これについては、ストレス説が有力とされているそうです。年齢とともにストレスが増え、笑えなくなるというのです。
聖書には「喜びなさい」という勧めが何回も出てきます。常に喜びの気持ちを保ち、感謝の気持ちを忘れずに、どんな時も明るく前向きに生きる姿勢を勧める言葉です。冒頭で笑いについて触れましたが、聖書の語る喜びは単に表面的な喜びではなく、心の状態としての喜びを指しています。困難な状況や辛いこと、悲しいことはたくさんあります。しかし試練の中で感謝の気持ちを持ち続けること、神に感謝する心を大切にすることが勧められているのです。
そしてパウロがフィリピ書で強調している喜びは“主に在る喜び”です。パウロはユダヤ人の由緒ある家系に生まれ、ギリシャ文化にも精通し、当時考えうる最高の教育を受けたエリートでした。しかし、イエス・キリストに絶大な価値を見出した時、かつて誇っていた家柄、学識、自分の実績などをあっさり手放しました。かつて自分が最高の価値を置いていたものを手放すことができたのは、彼の価値観が変えられ、イエス・キリストのために生きることが彼の最大の喜びとなったからです。
「しかし、わたしにとって有利であったこれらのことを、キリストのゆえに損失と見なすようになったのです。そればかりか、わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失とみています。」(フィリピ3:7~8前半)